助成活動事例「国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産技術研究所 山本 慧史氏–微小液滴を用いた有用餌料用微細藻類の高速スクリーニング技術の確立」
-
-
助成テーマ:農林水産業における革新的・先進的技術に関する研究【2024年度】
-
研究題目:微小液滴を用いた有用餌料用微細藻類の高速スクリーニング技術の確立
-
代表者名:山本 慧史
-
-
代表者所属:国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産技術研究所 育種部 育種基盤グループ
-
発表情報:2025年12月12日 論文出版
出版内容
「微小液滴を用いた有用餌料用微細藻類の高速スクリーニング技術の確立」
【背景・目的】
海産養殖種の種苗生産では、産まれたての仔魚や幼生の成長を支える餌料用の微細藻類が欠かせません。しかし、自然界には膨大な種類の微細藻類が存在するにもかかわらず、実際に餌料として利用可能な種はごく一部に限られています。その背景には、新しい有用な餌料用微細藻類を見つけ出すための探索方法が、時間と手間のかかる従来技術に依存してきたという課題がありました。本研究では、この課題を解決するため、マイクロ流路で作製した微小な液滴内に微生物を閉じ込めてアッセイ形を構築する「微小液滴技術」に着目し、微細藻類のハイスループットスクリーニングを可能にするプラットフォームの開発を目指しました。
【材料・方法】
我々の研究グループが保有する微細藻類ライブラリーを用いて,微小液滴内における微細藻類の増殖動態を分類群ごとに調査しました。また,天然で採集した多様な種を含む微細藻類コミュニティについて,微小液滴技術を用いた一細胞分離試験を実施しました。
【結果・考察】
研究の結果、直径約 0.1 mm の微小液滴内で、分類群の異なる様々な微細藻類を、従来の液体培養と遜色なく培養できることを確認しました。さらに、複数種が混合した微細藻類コミュニティを微小液滴によって 1 細胞レベルで区画化することで、種間競争を含む細胞間相互作用の影響を抑えられることが分かりました。これにより、もとのコミュニティの種多様性を維持しながら、各種を個別に培養できることが明らかとなりました。実際に、本手法を用いて天然海域でスクリーニングを試みたところ、従来法と比較して約 2 倍の種数を採取することができました。本手法の特筆すべき点はそのハイスループット性にあり、1 分間あたり約 7 万細胞という速度で微細藻類細胞の分離を可能にしました。これは従来の手法と比較して、桁違いに高いスクリーニング効率であると言えます。
出版情報
| 論文タイトル | ジャーナル名 | 論文Doi |
| Microfluidic droplet cultivation preserves microalgae diversity in screening systems | scientific reports | 論文Doi |
